「効率的なノートの取り方」「無駄のないノートの取り方」「本からの学びを最大限にいかすためのノート術」
こうしたフレーズにピン!ときてしまう人は少なくないはずだ。私もその一人。社会人になった時から(今は学生だが)、メモやノートに関して「どうしたらもっと抜け漏れのないメモになるのかな」「読書で得た気づきを成果に結びつけるにはどうしたらいいのだろう」といった問題意識をもち、ノート術やメモ術に関する著書を探し求めるようになった。
そうした合理的な、効率的なノート術と相反する(かのように見える)ノート術の秘密を公開してしまった本がある。そして、『(勉強に使うノートを除く)ノートとのつき合い方を見直そう!』と強く思わせ、私にその一歩を踏み出させてくれた本がある。
その本とは、あなたを天才にするスマートノート(岡田斗司夫著)だ。
天才とは
本のタイトルに書かれている「天才」とはどのような人物なのか。著者は「スティーブ・ジョブズ、北野武、レオナルド・ダ・ヴィンチ」の3名を天才と呼んでいる。しかし、世の中には『この人こそ天才だろう』といわれている人がいる。孫正義、マイケル・サンデル、松本人志などだ。彼らと、天才は何が異なるのか。
本書では天才を「発想力、表現力、論理力の3つの能力を兼ね備え、それが強い主体性によって1つの人格にまとまっている状態。そして、社会を変えることができ、歴史に名を残せる人物」と定義している。孫正義は、発想力と論理力に優れており、【改革者】と評価されている。マイケル・サンデルは、表現力と論理力に優れているため、【頭のよい人】だ。お笑い芸人であり映画監督もこなす松本人志は、発想力と表現力に秀でた【面白い人】にあたる。以上3名は確かに素晴らしい業績をあげた人物だ。しかし、スティーブ・ジョブズなどの天才のように、3つの能力をバランスよく兼ね備えてはいない。
上記3つのうち1つでもあれば、他人より秀でることができる。2つあれば、成功できる。3つで、天下を取ることができる。そう、天才とは歴史に名を残せる人物のことなのだ。冷静に考えると、2つに秀でている人物は確かに素晴らしい業績を残している、がしかし、歴史に名を残せるかどうか/社会を変えたかと問われると、答えにつまってしまう。
とはいえ、全員が全員、天才になれるわけではない。でも、秀才にはなれるかもしれない。そのためのノート術、それがスマートノートだ。
「面白い」を重視する
つまらないことを継続することほど、疲れることはない。楽しいからこそ、人はのめり込むし、楽しんで継続することができる。スマートノートは、すぐに始められ、楽しく継続できるルールに基づき、自分の手で作っていくノートだ。
では、何をやればいいのか。それはごくごくシンプルだ。
ただその日やったことを5つ書き出し、採点し、論理を広げたり深めたりする。そして、仕上げとしてそのノートに書いた内容に基づいて人に話す。
「天才のためのノート術、というのだから、きっとパンピーな自分にはできないことなんだろうな。。」そう思っていた方は拍子抜けしてしまったかもしれない。
そう、今すぐに今日から始められることばかりだ。しかし、1つのステップごとに毎日続けたくなる隠し味が施されている。隠し味がどんな味なのか、はぜひ本書を参考にして頂きたい。本書には、筆者が実際に使っていたノートが掲載されている。実際にどのようにしてノートを書いているのか、発想を広げているのか、それを実例から盗んでみてほしい。
これはあくまでも私の主観だが、筆者はスマートノートを楽しみながら(ニコニコしたり、鼻歌詠ったりしながら)書いていたと思う。そんな様子が、実例を見た時に浮かんできた。「レコダイが成功したのもスマートノートのおかげ」という一節は、「なるほど」とうなってしまう納得感があった。
あなたが @ToshioOkada をフォローしているのであれば、一度や二度はツイートを読んだことがあるのではないだろうか。このアカウントをリストに加えている方であれば、きっとツイートを読んだことがあるに違いない。そこで質問。
筆者のツイートを読んで、ぐぐっと引き込まれたり、なにかしらのテーマについて大きな問題意識をかき立てられた、そんな経験はないだろうか。
もしあるのであれば、本書を読むべきだ。そして気づくだろう。なぜこの方のツイートが、あれほどまでに面白く、深く、うーんと納得感に満ち満ちたものなのかを。少なくとも私は、筆者は天才の域にいる方だと考えている。その筆者が明かしたノート術。シンプルだ。
シンプルだからこそ、奥が深い。奥が深いからこそ、その分飛び出してくる発想/アイデアが面白い。私はそう推測している。
まとめ
あなたを天才にするスマートノートとは、人生を楽しみ尽くす際の最高の友人/相棒となるノートだ、それを、今日から自分自身の手で育てていく。やることは、ただその日やったことを5つ書き出し、採点し、論理を広げたり深めたりして、仕上げに人に話すだけ。たったそれだけのことで、明日の朝がもっと待ち遠しくなるノート術。
そんな楽しいひと時を24時間の中に取り込んでみてはいかがだろうか。私は早速、天才の手前の秀才を目指して出発する。皆さんも、ご一緒しませんか。
以上、【書評のような感想文】でした。