あと2日で4月が始まる。4月は何かと変化に激しい月だ。学生は大学に入学したり、社会人であれば初めてのスーツに身を包み、どきどきしながら初出社する人もいるだろう。新しい職場で働き始める人もいれば、会社を飛び出して独立する人もいるかもしれない。
そこまで大きな変化でなくとも、新しい目標を立て、その達成に燃えている人も多いだろう。「4月からこれを始めて、いついつまでに達成するんだ!!!」と熱い想いを胸に秘めている人もいるだろう。
しかし、人間というのは不思議な物で、新しいことを始めるとき、心は激しく燃えている。その炎が激しければ激しいほど、身を燃やし尽くすスピードが早い。始めよう!と燃えていたのにも関わらず、3日坊主で挫折した経験、ないだろうか。私は挫折だらけだ(笑)
そして、後悔する。なぜあんなことを始めてしまったのか。。あの時、怠けそうな気持ちに負けていなければ。。。そんな悲しみを胸に、4月を終える。。そうならずに短期間で新しい技術や知識を手に入れるためには、一体どうしたらいいのか?その成功事例が本書、通称『Cすらほん』だ。
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C言語すら知らなかった私がたった2か月でiPhoneアプリをリリースするためにやったこと
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本書はiPhoneアプリ開発の解説書、ではない。どちらかというと、ひとつのiPhoneアプリを完成させるまでに筆者がたどったプロセスを綴った本だ。なので、技術的な話はほとんど出てこない。どちらかというと、新しい技術を体得するために筆者が積み重ねてきた勉強の仕方、モチベーションの維持の仕方、初めてのiPhoneアプリを作成するためにどんなスケジュールで動いたか、など、実際にリリースするまでにしたことが書かれている。
筆者のことは、東京ライフハック研究会で見知っているが、実際、そこまで深く話した記憶がない。ただ、ブログは欠かさずチェックしている。そして、本人には言った事がないが、こっそり尊敬している。誰も見ていない所で、(楽しみながら)地道に努力を重ね、その姿の片鱗をブログでちらちら見せてくれる。その成果が、はてぶ3200超えの記事であり、出版された本書なのだと思う。
本書から伺い知れるのは、筆者の人間関係のよさ。アプリの開発をする上で、デザインは手がけなかったと筆者は言う。本人はプログラミングに集中し、それ以外の部分は周囲の人たちにお願いしていたというのだ。これは筆者のブログを読んでいた私にとって、衝撃の事実だった。すべて自分自身でやってのけていたのだとばかり思っていたからだ。
さらに加え、交友関係のよさも伺い知れた。メールを送って数時間後に「モデルやるよー」と数人が手をあげてくれたそうだ。筆者が初めて開発し、リリースしたアプリ『iOkinawa』は、筆者れい氏がこれまでに築いてきた素晴らしい人たちとの繋がりと、彼ら/彼女らの協力と、そして「これを作りたいんだ!」という情熱の塊なのだ。
最後に。
本書を読んでもっとも強く感じた事。それは、人生楽しんだ者が勝ち、ということ。勝つ負けるだけが人生ではないが、死ぬ前に「ああ、いい人生だったな」と自分を褒める事ができる人生を送れる人は、怠けそうな自分に勝利した、という意味で人生の勝者だと私は考えている。あの時、こうしておけばよかった。そんな小さなつまずきから生じた大きな後悔を胸に死ぬか、それとも、小さな努力を重ねた末に大きな満足を得て死ぬか。私は後者を選びとりたい。
そのためには、いかに短期間で効率的に身につけたい技術や知識を得ていくか、が重要なキーになってくる。本書は、iPhoneアプリだけではなく、短期間で何かを身につけたい/成果を出したい、そんな人たちの必読書になるだろう。おすすめ度、☆4つ。